「ピーマンの種には毒がある」「消化されずに盲腸(虫垂炎)の原因になる」といった噂を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、農林水産省や公的食品研究機関の見解を検証すると、ピーマンの種やワタに人体へ害を及ぼす毒性物質は一切存在しないことが確認されています。
では、なぜこのような誤解が広まったのでしょうか。背景には、ピーマンがナス科トウガラシ属の植物である点が挙げられます。同じナス科のジャガイモの芽には「ソラニン」、未熟なトマトには「トマチン」という天然毒素(アルカロイド配糖体)が含まれるため、「同じナス科野菜の種にも毒があるのでは」と混同されてしまったのが真相です。また、かつて医学的根拠が乏しかった時代に「異物が盲腸に溜まる」という俗説がまことしやかに語られたことも、不要な恐怖心を煽る要因となりました。
実際には、ピーマンの種は未熟な状態で収穫されるため非常に柔らかく、熱を加えることで細胞壁が崩れて舌触りも気にならなくなります。口の中に残る固い種とは異なり、加熱調理によって果肉と一体化する性質を持っています。