見た目の厚みや口に入れた瞬間の食感の違いは、生地内部の気泡構造と膨張剤の働きによって生まれます。ホットケーキ特有の「ふっくらとした厚み」を支えている主役がベーキングパウダー(膨張剤)です。
ベーキングパウダーは、水分と混ざった瞬間と、加熱された瞬間の2段階で炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させます。小麦粉のグルテンが形成する網目構造の中にこのガスが閉じ込められることで、どっしりとした弾力のある密度の高いスポンジ状の食感が完成します。
対照的に、カフェで主流となっている「スフレパンケーキ」は、ベーキングパウダーの力だけに頼らず、卵白を泡立てたメレンゲの微細な気泡を生地に優しく混ぜ込むことで、口の中でとろけるような軽いエアリー感を生み出しています。また、海外の伝統的なパンケーキは厚さ5ミリ前後の薄焼きが標準であり、「分厚くふっくら焼き上げる」こと自体が日本のホットケーキ文化特有の美学といえます。