向島百花園を訪れる上で絶対に外せない二大ハイライトが、秋の「萩のトンネル」と初春の「梅まつり」です。
園内中央に位置する「萩のトンネル」は、全長約30メートルに及ぶ竹の格子棚に、紫や白のミヤギノハギを丁寧に這わせたもの。例年9月中旬から咲き始め、9月下旬頃に見事な満開を迎えます。トンネルの内部に入ると、頭上から零れ落ちるように垂れ下がる萩の花と、隙間から差し込む秋の木漏れ日が交差し、まるで江戸時代の絵巻物の中に迷い込んだかのような情緒を体感できます。
庭園管理の担当スタッフへの聞き取りによると、「萩の枝は非常にしなやかで成長が早く、毎年冬に根本から刈り込みを行い、春から秋にかけて職人の手で一本一本棚に誘引している」とのこと。この繊細な手作業の積み重ねが、秋の均整の取れたトンネル美を支えています。
一方、2月中旬から開催される「梅まつり」は、向島百花園のルーツとも言える催事です。開園当初、約360本のウメが植えられ「新梅屋敷」として江戸市民に親しまれた歴史があります。現在は約20品種・約70本の梅が植栽されており、野趣豊かな「白加賀(しらかが)」や「月影(つきかげ)」、鮮やかな紅梅が早春の園内を芳しい香りで満たします。