会食恐怖症とは、他者と一緒に食事をするシチュエーションに対して強い不安や恐怖を感じ、食事が喉を通らなくなったり、吐き気やめまい、震えなどの身体反応が現れる状態を指します。精神医学の診断基準において、特定状況での強い不安を伴う「社交不安障害(SAD)」のサブタイプとして位置づけられています。
自宅で一人で過ごす際や、心を許しきった家族の前では何の問題もなく美味しく食事ができるにもかかわらず、一歩外に出て知人や同僚、初対面の相手と同席した途端に強い拒絶反応が引き起こされます。この外食で食べられない心理の根底にあるのは、「食べるのが遅くて周囲に迷惑をかけているのではないか」「残したら失礼だと思われるのではないか」「万が一、人前で吐いてしまったらどうしよう」という他者評価への過敏な恐れです。
周囲からの視線を意識するあまり、自律神経の交感神経が急激に優位となり、胃腸の働きが抑制されて唾液の分泌も低下します。その結果、物理的に食べ物を飲み込むことが難しくなり、無理に流し込もうとすることでさらなるパニックを呼ぶという悪循環に陥ってしまいます。