ネット上のVPN広告を見渡すと、どの事業者も判で押したように「ノーログポリシー(通信記録を一切保存しない方針)」を掲げています。しかし、ノーログポリシーの真相を精査すると、宣伝文句と運用実態の間に決定的な乖離が存在することが分かります。
過去には「ログを一切残さない」と公言していた海外VPN事業者が、捜査機関からの要請を受けて特定のユーザーの接続ログを当局へ提出し、逮捕の決定打となった事例が報じられています。本物のノーログ体制を敷くには、OS自体を揮発性メモリ上で動かし、再起動のたびに全データが消去される「RAM専用サーバー」を構築し、かつプライスウォーターハウスクーパース(PwC)やデロイトといった独立した国際監査法人による厳密なセキュリティ監査を定期的に受けてレポートを一般公開している必要があります。監査レポートすら提示できない事業者の「ノーログ宣言」は、単なるマーケティング用語に過ぎません。
一方で、法的な観点から「そもそも日本でVPNを使うことは法的に問題ないのか」という疑問を抱く方もいるでしょう。結論から言うと、VPNの違法性と日本の法律に関して、日本国内でVPN技術を利用すること自体は100%合法です。総務省の電気通信事業法や関連法規に照らしても、暗号化通信の利用は何ら制限されていません。中国、ロシア、イラン、北朝鮮などの権威主義国家では政府無許可のVPN利用が法的に禁止または規制されていますが、日本をはじめとする民主主義国家において通信の自由は保障されています。ただし、合法なのは「ツールの利用」であり、著作権侵害や不正アクセス、詐欺などの犯罪行為にVPNを用いた場合は当然ながら刑事罰の対象となります。