飲料業界の各メーカーは、それぞれ独自の強みを生かしてインクルーシブな自販機開発を競い合ってきました。ここでは自動販売機のユニバーサルデザイン事例まとめとして、業界を牽引する主要各社の特徴的なアプローチを整理します。
業界最大手のコカ・コーラのユニバーサルデザイン自販機は、下段ボタンの普及を決定づけたパイオニアです。赤を基調とした洗練されたビジュアルを維持しながら、2000年代初頭から全国規模でUD機の標準配備を推進しました。近年ではハードウェアの改良にとどまらず、スマートフォンアプリ「Coke ON」のアクセシビリティ機能を拡張。画面の文字読み上げ機能(VoiceOver / TalkBack)を活用し、自販機本体のボタンに一切触れることなく、手元のスマホ画面をスワイプするだけでドリンクを購入できる「タッチレス&ボーダレス体験」を具現化しています。
一方、現場での親しみやすさと独自路線で圧倒的な支持を集めるのが、ダイドードリンコのユニバーサルデザインです。ダイドーといえば名物である「おしゃべり機能」をいち早く導入し、方言での挨拶や季節のメッセージを通じて視覚障害者への音声補助をいち早く日常の風景へと昇華させました。さらに、フットペダルを踏むだけで商品取り出し口のフラップが開く「足踏み式自販機」や、車椅子ユーザーの目線に合わせた低床型ラック構造の開発など、現場の声に愚直に寄り添った実用的なアイデアを数多く実用化しています。