本作のクオリティを根底で支えていたのは、テレビ朝日と東映が長年培ってきた映像制作のノウハウと、ジャンルの垣根を取り払う挑戦的なクリエイティブだ。『おっさんずラブ』チームが再集結して生み出した世界観は、ラブコメディの軽快なテンポと、本格ミステリーの暗澹たる空気感をシームレスに行き来する。
映像面でも東映ならではのケレン味あふれるアクションや、赤と黒を基調としたスタイリッシュな色彩設計が際立っていた。降りしきる雨の中での凄惨なウエディングドレス姿や、夜の路地裏に飛び散る鮮血の描写は、美しくも残酷なゴシックホラーの趣すら漂わせる。
先が読めない怒涛の展開と緻密なプロット構成。視聴者を飽きさせないスピーディーな物語運びは、エンターテインメントの最前線を走り続ける制作陣の矜持を感じさせる見事な仕上がりだった。