風邪による咽頭炎と喉頭がんの初期症状は、自覚症状の現れ方に決定的な違いが存在します。風邪に伴う喉の痛みや声の枯れであれば、多くの場合数日から1週間程度でピークを越え、徐々に快方へと向かいます。しかし、喉頭がんの初期症状として現れる異変は、自然に治まることなく徐々に進行していくのが特徴です。
もっとも警戒すべきサインが声のかすれ(嗄声:させい)です。普段よりも声が低くなった、カスカスして息が漏れるような声になる、高音が出しにくいといった変化が2週間以上持続・悪化している場合、単なる炎症ではなく声帯そのものに病変が生じている可能性を疑わなければなりません。
また、声の変化に先立って現れるのが喉の違和感や異物感です。「喉の奥に小骨やゴミが引っかかっているような感覚が抜けない」「唾液を飲み込むときにチクッとした違和感がある」といった訴えは少なくありません。初期の段階では強い痛みを伴わないケースが大半であるため、「痛くないから大病ではないだろう」という油断が生じやすい点に最大の落とし穴があります。