2007年9月、Def Techは公式ホームページ上で突然の解散を発表しました。1stアルバム『Def Tech』が280万枚以上のセールスを記録し、インディーズレーベル発の社会現象となったわずか2年後の出来事だったため、世間には大きな衝撃が走りました。
当時、ネット掲示板や週刊誌などでは「MicroがShenにしつこく宗教勧誘を行ったことで関係が決裂した」というセンセーショナルな噂が独り歩きしました。しかし、後年のドキュメンタリー番組や雑誌のロングインタビューで2人が語った解散理由の核心は、全く異なるものでした。
当時語られた生の告白によれば、デビュー直後の急激なブレイクによって年収や生活環境が激変し、周囲に群がる大人たちへの不信感が募るなかで、お互いの信頼関係にヒビが入っていったといいます。特に音楽プロデュースの主導権を握っていたMicroと、自身の表現をより反映させたかったShenとの間で、クリエイティブ上の衝突が絶えなくなっていました。
「顔を合わせるだけでスタジオの空気が凍りつく」「言葉を交わすことすら苦痛だった」と当時の特番インタビューで回顧されている通り、不仲の直接的なトリガーは20代前半の若者が背負うには重すぎた商業的プレッシャーと制作上の意見衝突でした。