ネット上の古いレシピ集や料理の教科書を見ていると、「ごぼうは切ったらすぐ酢水にさらしてアクを抜く」という指示が定番とされています。しかし、新ごぼうの唐揚げにおいて、長時間の水さらしや酢水浸けは最大の悪手です。
野菜ソムリエや日本食品標準成分の知見でも裏付けられている通り、ごぼうのアクと呼ばれる成分の主体はポリフェノール(クロロゲン酸など)です。これは旨味と抗酸化物質の塊であり、しかも新ごぼうに含まれるポリフェノールはエグみが極めて少なく、さわやかな芳香の源泉です。水に長くさらすと、旨味成分が水中に流出し、ごぼう特有の香りが抜け落ちて水っぽい仕上がりになってしまいます。
正しい下処理は、「流水下でたわしやアルミホイルを軽く丸めたもので泥を洗い流すだけ」。包丁の背で皮を削ぎ落とす必要すらありません。皮の直下にこそ最も強い甘みと香気成分が存在するため、皮ごと使うことが唐揚げのクオリティを劇的に引き上げる近道です。