金融資産とは、それ自体に物理的な実体や物質的価値があるわけではなく、法的な請求権や信用、契約関係に基づいて財産的価値が認められている資産の総称です。紙幣そのものは単なる特殊な印刷紙片であり、株式や債券も現代では電子データに過ぎませんが、発行体に対する法的な権利や市場の信用によって確固たる経済価値を持ちます。
これと対極に位置するのが、土地、建物、ゴールド(純金)、プラチナ、高級時計、美術品などの実物資産です。実物資産はそれ自体に物質的な有用性や希少価値が存在し、発行体の破綻によって無価値になるリスク(信用リスク)が極めて低い一方、保管コストや盗難リスク、換金の手間が伴います。
実物資産と比較した金融資産の決定的なメリットは、金融資産の流動性と安全性の高さにあります。不動産を売却して現金化するには数ヶ月単位の時間と多額の仲介手数料が必要ですが、上場株式や投資信託であれば市場取引を通じて数営業日で現金化が可能です。また、1円単位や1株単位といった細かな分割管理が容易である点も、実物資産にはない大きな優位性といえます。
家計管理において把握すべき金融資産の種類一覧とそれぞれの特性は次の通りです。
第一に「現金・預貯金」です。元本安全性が最も高く日常決済に不可欠ですが、インフレ局面では実質的な価値が目減りする宿命を抱えています。
第二に「有価証券」です。これには企業の所有権を小口化した「株式」、国や企業が資金調達のために発行する借用証書である「国債・社債(債券)」、そして多数の投資家から資金を集めて運用のプロが分散投資を行う「投資信託」が含まれます。
第三に「保険性資産」です。生命保険や個人年金保険のうち、解約返戻金や満期保険金が設定されている積立型商品は金融資産としてカウントされます(掛け捨て型は除外されます)。
さらに第四として、外貨預金や近年保有者が増えている暗号資産(仮想通貨)なども広義の金融資産の領域で議論されるケースが増加しています。