日本のアイドルシーンにおける集団応援の起源は、1970年代中盤に結成されたキャンディーズの私設応援団連合「全日本キャンディーズ連盟(通称:全キャン連)」に遡ります。大学生を中心とした理知的なファンが主導した全キャン連は、メガホンや紙テープの投げ入れ、統一された掛け声など、組織的応援のプロトタイプを完成させました。
この応援スタイルが1980年代に入ると一変し、中高生を中心とする十代の若者たちへと主役が交代します。いわゆる80年代アイドル親衛隊の黄金期の幕開けです。初期はアイドル名や所属支部がプリントされた色鮮やかなハッピが主流でしたが、やがて当時のツッパリブームやヤンキーカルチャーの影響を受け、背中に金糸や銀糸で華麗な刺繍を施した特攻服(隊服)を着用する集団が急増しました。
彼らが開発した「アイドル親衛隊コール」は、楽曲のリズムやメロディの隙間(ブレイク部分)を正確に計算し尽くした高度なものでした。「L・O・V・E、レッツゴー聖子!」「あ・き・な!」「世界で一番可愛い〇〇!」といったリズミカルな連呼は、テレビの生放送を通じて全国のお茶の間に届けられ、アイドルの魅力を引き立てる重要な音響演出の一部として機能していったのです。