言語学および国語学における基本構造として、「悪」の反対語は「善」です。この2つは価値判断における正負の極を表す対概念であり、四字熟語の「勧善懲悪(善を勧め、悪を懲らすこと)」にも端的に表れています。
広辞苑や大辞泉などの公的辞書において、善行と悪行の定義は概ね以下のように区分されます。
・善(善行):道徳的・倫理的に正しく、他者や社会に対して好ましい利益や調和をもたらす行為。
・悪(悪行):道徳的・倫理的規範に反し、他者を傷つけたり社会秩序を乱したりする行為。
また、感情や動機を表す派生語においても、悪意の反対語は「善意」であり、善悪の対義語関係は一貫しています。民法などの法解釈において「善意(ある事実を知らないこと)」「悪意(ある事実を知っていること)」という特殊な専門用語としての使われ方はあるものの、一般的な道徳概念としては「相手を思いやる心」と「害を加えようとする心」の対立軸として成立しています。