ビジネス現場で議論になりやすいのが、ご査収の上司への使い方や取引先の役員に対する適否です。なぜこれが「目上の人には避けたほうがよい」と指摘されるのか、その理由は主に2つ存在します。
1つ目は、先述した「精査の強制」です。部下が上司に対して「内容に誤りがないか調べてお納めください」と促す構図は、見方によっては業務の責任を相手に丸投げしている、あるいは上から指示を出しているような印象を与えます。直属の上司であれば「確認をお願いします」で済むところを、過度に形式張った「ご査収」を使うことで、かえって慇懃無礼に映る場面も少なくありません。
2つ目は、定型句としての形骸化です。中身を読まずにテンプレートとして貼り付けられたメールは、受け手に形式的な事務処理感を与えます。特にご査収目上の人への敬語として使う場合、相手への敬意を示すつもりで選んだ言葉が、「事務的で冷淡なメール」という真逆の評価に繋がってしまう点が、この表現の最大の落とし穴です。