甘みを足して辛さを打ち消す際、最も定番でありながら失敗しやすいのがはちみつの扱いです。カレーを甘くするはちみつの入れ方には、明確な科学的ルールが存在します。
はちみつには「アミラーゼ」という消化酵素が含まれており、ルーのとろみ成分であるデンプンを分解してサラサラの液体に変えてしまう性質があります。この失敗を防ぐためには、「火を止めた状態でルーを入れる前にはちみつを加え、その後弱火で20分以上しっかり加熱して酵素を失活させる」か、完成後に入れる場合は「粗熱を取って食べる直前に器へ小さじ1程度混ぜる」のいずれかを徹底してください。
フルーティーな自然な甘さを求めるなら、カレーの辛味消しにりんごのすりおろしが最適です。皮ごとすりおろしたりんご(4人分で1/4〜1/2個分)を小鍋で軽く煮詰めてからカレーに混ぜ合わせると、フルーティーな甘みとペクチンによる自然なとろみがプラスされ、名店のような上品な甘口欧風カレーに変化します。
常備調味料で素早く調整したいなら、砂糖やチョコレートの出番です。上白糖や三温糖を小さじ1杯ずつ味を見ながら加えたり、ミルクチョコレートを1〜2かけ溶かし込んだりすることで、ビターなコクを残したまま刺激だけを心地よく和らげることができます。