1980年代半ば、台湾で制作された『幽幻道士』は、それまでのホラー映画の常識を鮮やかに覆す傑作だった。滑稽な動きを見せる妖怪キョンシーとコミカルなギャグ、そして本格的なワイヤーアクションを融合させたキョンシーホラーコメディという新ジャンルは、アジア圏にとどまらず世界的なインパクトを与えた。
特に日本では、TBSテレビがテレビドラマ版『来来!キョンシー』を黄金時間帯に放送したことで人気が爆発する。金曜の夜、テレビの前にかじりついた子供たちが翌朝の学校で息を止める「キョンシーごっこ」に興じる光景は、昭和末期の日本において日常の風物詩となった。