彼のカーライフの原点を辿ると、1980年代の眩い熱気に突きあたる。スクリーンで疾走する姿が印象的だった映画『ハイティーン・ブギ』の時代、すでに彼は走りの魅力に憑りつかれていた。マニュアルのシフトレバーを叩き込み、エンジン音を響かせる快感。あの若き日の衝動こそが、すべての始まりだった。
プライベートで手にした初期の愛車たちも、決して見せかけだけの代物ではない。多忙を極める芸能活動の合間を縫い、彼が追い求めたのは機械としての素直なフィードバックだ。アクセル開度に対するダイレクトな反応。タイヤが路面を掴む感触。時代を超えて脈々と受け継がれる近藤真彦の車愛は、この黎明期にすでに完成していたと言っていい。