日本芸能界において、趣里ほど重厚な血統を持つ女優も珍しい。父は国民的ドラマの顔である水谷豊、母は伝説のアイドルグループで一世を風靡した伊藤蘭だ。誰もが羨むようなサラブレッドとして生まれた彼女だが、その背景は同時に容赦のない「二世タレント」としての比較や偏見との戦いを意味していた。
幼少期からバレリーナを目指してイギリスへ留学したものの、度重なる怪我によって夢を断念せざるを得なかった挫折の経験が、彼女の表現者としての原点となった。偉大な両親の威光に頼ることなく、自らの足で演技の道を歩む決意を固めた彼女は、あえて「二世」であることを伏せてオーディションを受け続ける泥臭い下積み生活を選んだ。