一瞬の隙に我が子を見失ったあの日から、時計の針が止まったかのような日々を送る行方不明男児の父親。取材に対し、彼は搾り出すような声で当時の状況を明かした。「ほんの数秒、目を離しただけだった。呼びかけた声が届かない暗闇の恐ろしさは、今も脳裏から離れない」。その言葉には、自責の念と同時に、必ず無事でいてほしいという強い願いが込められている。
父親は事件後、自らの手でチラシを作成し、駅前や商業施設で情報提供を呼びかけ続けてきた。ネット上で交錯する心ない言葉や推測に傷つきながらも、メディアの取材に応じるのは「風化させてはならない」という一心からだ。遺族が抱え続ける葛藤の深さは、周囲の想像を絶するものがある。