元来、この言葉のルーツはリアルなアスリートの世界にある。アメリカンフットボールにおいて、攻撃側選手が確保していたボールを誤って落としてしまうプレイをファンブルと呼ぶ。ボールの所有権が曖昧になった瞬間、ピッチ上には熾烈な争奪戦が巻き起こる。
世界最高峰のプロリーグNFLでは、たった一つのファンブルがシーズン全体の運命を左右することすら珍しくない。勝利を確信した土壇場でのファンブルは、チームに悲劇を、相手チームに劇的な逆転劇をもたらす。この「一瞬で形勢が暗転する恐怖」こそが、のちに多様なサブカルチャーへ移植されるコアな概念となった。