長崎平和祈念像の真実 巨匠・北村西望が手に託した祈りと警鐘

長崎平和祈念像の真実 巨匠・北村西望が手に託した祈りと警鐘

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多くの人が「なぜこのポーズなのか」と問いかける。天に向かって垂直に突き出された右手。水平に優しく差し出された左手。そして軽く目を閉じた静謐な表情。この独創的なフォルムには、作者である彫刻家・北村西望(きたむらせいぼう)の明快かつ深遠な解釈が込められている。

北村自らが遺した言葉によれば、高く掲げた右手は「原爆の脅威と惨禍」を指し示している。空から降り注いだ一瞬の破滅、核兵器がもたらす悲劇への警鐘だ。対照的に、水平に伸ばされた左手は「至高の平和と愛」を象徴する。さらに、安らかに閉じられた目は、原爆犠牲者の冥福を祈る深い慈悲の現れとされる。立った姿勢ではなく、あえて地にどっしりと座る姿をとることで、不動の意志と地球規模の平穏への願いを力強く表現した。荒々しい筋肉の隆起と流麗なラインが共存する独特の造形は、見る者の視線を釘付けにする。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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