SNSや個人投資家コミュニティで頻繁に目にするのが、「豪ドル円 スワップポイントが高いから、放置して長期保有していれば必ず勝てる」という言説です。しかし、この過度な単純化には重大な落とし穴が潜んでいます。
為替市場の冷徹な現実として、1年分の累積スワップ収益は、わずか2〜3日の急激な円高局面で吹き飛ぶことがあります。特に資源国通貨である豪ドルは、世界的な株安局面や地政学的リスクの高まり(リスクオフ)において、資金引き揚げの対象となりやすい「高ベータ通貨」の性質を持っています。
さらに、中国経済の構造変化(不動産セクターの調整や脱炭素シフト)による資源輸入構造の変化は、かつてのような「資源高=豪ドル一本調子高」の単純なシナリオを通用しにくくしています。キャピタルゲイン(為替差益)とインカムゲイン(スワップ)のリスク・リターン比を冷徹に計算しないポジション取りは、大きな含み損を抱える原因となります。