かつてNetflixで世界中に配信され爆発的な人気を博した韓国ドラマ『梨泰院クラス』の舞台として知られる梨泰院(イテウォン)は、若者文化と多国籍な熱気に満ちた街だった。しかし、ハロウィンの夜に発生した群衆圧死事故は、その賑わいを一瞬にして悲劇へと変えた。坂道の多い狭い路地に想定を超える人数が殺到し、身動きが取れなくなった群衆が相次いで転倒。極限の圧迫状態の中で無数の命が危険に晒された。
現場が混迷を極める中、救助に向かった韓国消防庁の隊員やソウル特別市警察庁の警察官による必死の対応と背中合わせに、無数のスマートフォンが現場に向けられていた。呼吸困難に陥った人々や倒れ込んだ被害者の姿が、何の配慮もなされないままSNSへライブ配信された。緊迫した現場の空気感とともに無修正の画像がリアルタイムで世界中に送信され、従来の災害報道ではあり得なかったレベルの生々しい現場映像がネット上を駆け巡った。