古来「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」という慣用句がある通り、この両者(およびハナショウブ)は外見が酷似しており、識別が難しいことの代名詞とされてきました。この言葉は『太平記』において、源頼政が鵺(ぬえ)退治の褒美として絶世の美女・菖蒲前(あやめのまえ)を賜る際、酷似した美女たちの中から見分けを求められ、「どちらも優れていて選び難い」と詠んだ故事に由来します。
現代の園芸・植物観察において失敗しないための、決定的な識別データを以下の比較表にまとめました。
最も確実な見分け方は「花びらの根元の模様」です。中央にすっきりと白い一文字の筋が入っていればカキツバタ、網目状の模様があればアヤメ、鮮やかな黄色が入っていればハナショウブと即座に判別できます。