ブラジル国旗のカラーリングについて、「広大な熱帯雨林の緑」と「ゴールドラッシュに沸いた金や鉱物資源の黄色」と記憶している方は少なくありません。現代のブラジル国内でも愛国的な意味合いとしてそう語られる場面は多いものの、本来の歴史的な由来は王室のシンボルカラーにあります。
1822年にブラジルがポルトガルから独立を果たした際、初代皇帝に即位したペドロ1世はポルトガル王家のブラガンサ家出身でした。このブラガンサ家の象徴色が「深い緑」だったのです。そして、ペドロ1世の妻であるマリア・レオポルディナ皇后の実家が、ヨーロッパに君臨した名門オーストリアのハプスブルク家であり、同家の紋章を彩る色が「黄金色(黄色)」でした。
つまり、国旗のベースカラーは両家の婚姻と団結を記念して定められた意匠が原型となっています。1889年に帝政が崩壊して共和制へ移行した際、国民に深く定着していた緑と黄色の組み合わせはそのまま残され、後付けの解釈として「森林と鉱物」という国土の豊かさを象徴する意味が付与されました。