文学からエンターテインメントへと目を移すと、「戯れ」の概念は言葉遊びやスタイルとしての進化を遂げる。その代表格が、作家・西尾維新が手がけた『戯言シリーズ』だ。
軽妙で独特なダイアローグ、キャラクター同士の皮肉混じりの掛け合い、そしてタイトルの通り「戯言」を弄する主人公。この手法は、当時の出版業界に鮮烈な衝撃を与えた。集英社をはじめとする大手出版社が展開するメディアミックス作品やライトノベル、マンガ表現の領域にまで多大な影響を与え、「意味のないおしゃべり」の中に重厚なテーマを潜ませる現代的な語り口を確立したのだ。