実際に登録しているシニア会員のリアルな証言を検証すると、センターの評価は「目的の設定」によって真っ二つに分かれます。
定年退職後に70歳で登録した元会社員の男性は、当時の心境と現状について次のように語っています。
「定年後ずっと家にいて妻と顔を合わせるのが気まずくなり、月数万円の小遣いと運動不足解消になればと登録しました。週に2回、公共施設の駐輪場管理をしていますが、地域の同年代仲間とおしゃべりしながら適度に体を動かせて、月3万5,000円ほどの配分金が入る。この生活には非常に満足しています」(70代・男性会員の手記より)
一方で、年金の受給額が少なく生活費補填を目的に登録した60代前半の元自営業者は、全く異なる感想を漏らします。
「月10万円は稼ぎたいと思って入会したが、希望通りの日数はもらえず、回ってくるのは炎天下の草刈りばかり。実質的な時給を計算すると近所のスーパーの夜間品出しアルバイトをやった方が遥かに稼げるし、労災も付く。稼ぐ場所ではないと痛感して半年で退会しました」(60代・元会員の証言)
このように、「生きがい・社会参加・健康維持」を主目的にする人にとっては満足度が高い反面、「労働・生活防衛」を主目的にする人にとっては不満が爆発する構造が浮き彫りになっています。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
労働経済学およびシニアの社会適応の観点から導き出される、シルバー人材センターの向き不向きの判断基準は極めて明確です。
【シルバー人材センターがおすすめできる人】
- 年金などの基礎収入があり、生活費の工面に困っていない人
- 定年後に家に引きこもりがちで、規則正しい生活リズムや運動習慣を取り戻したい人
- 地域社会に貢献し、同年代の仲間や緩やかな人間関係を作りたい人
- 週に1〜3日、1日2〜4時間程度のマイペースな活動を希望する人
【シルバー人材センターをおすすめできない人(やめておくべき人)】
- 生活費として月7万〜10万円以上の確実な収入を必要としている人
- 時間管理や指示系統が曖昧な環境にストレスを感じる人
- 万が一の労働災害時に備え、手厚い公的労災補償を必須と考える人
- 現役時代と同等の評価や高い時給換算を求める人(シニア向け求人や派遣を選ぶべき)