世の中には「実物は普通なのに写真だと驚くほど美人に写る人」が存在します。このフォトジェニックな顔との違いを比較すると、写真というメディアの特性が浮き彫りになります。
いわゆる「写真映えする顔立ち」には明確な共通点があります。顔全体の凹凸が控えめで平面的、肌のトーンが均一、目や唇などのパーツの配置バランスが完璧な黄金比に近い、という特徴です。凹凸が少ない顔立ちは、カメラのレンズを通しても歪みや余計な影が出にくく、光を均一に反射するため、2次元の画像にした際にノイズが極めて少なく美しく整って見えます。
一方で、写真写りが悪くなりやすい顔立ちは、前述の通り凹凸がしっかりした立体構造を持ち、肌の質感や瞳の奥の光、動くときの優美な表情筋の連動によって魅力を放つタイプです。つまり、「写真映え」とは平面配置のシンメトリー度合いを指す指標に過ぎず、「実物の美しさ」とは別次元の概念です。写真写りが悪いと感じる人は、カメラという不完全な光学機器が捉えきれないほどリッチな立体美を備えている証拠でもあります。