かつて閉館の危機に瀕していた新屋島水族館の復活劇は、地方創生における奇跡のケーススタディとして語り継がれている。その背骨となったのが、行政と民間が膝を突き合わせて練り上げた「屋島活性化基本構想プロジェクト」だ。国立公園の厳格な規制と山頂という地理的制約を逆手に取り、アクリルガラス越しではなく頭上すれすれをイルカが飛ぶ驚きの水槽配置を実現させた。
現場を支える飼育員たちの奮闘は、小説やドラマで描かれた『水族館ガール』のリアル版そのもの。手作りの解説ボードやスタッフによる軽妙なトーク、生きものたちへの尽きない愛情が随所に滲み出ている。洗練された巨大施設にはない泥臭いぬくもりが、ここを訪れる人々の胸を打つ。