乾いた風が吹き抜ける里山で、枝先に吊るされた干からびた獲物たち。動物行動学の視点から進められた最新の観察研究は、この奇妙な行動が単なる「冬の備蓄」以上の決定的な意味を持つことを突き止めた。
決定打となったのは、オスの歌声と早贄の消費ペースに関する発見だ。過酷な冬の間、自ら仕掛けた串刺しの獲物を効率的に摂取したオスは、春先を迎えた段階で極めて質の高いさえずりを響かせることができる。鳥類の世界において、朗々とした力強い歌声はメスを惹きつける最大の武器。つまり、あの冷酷な串刺しは、春の求愛競争を勝ち抜くための緻密なドーピング計画だったのである。
さらに、硬い獲物を固定して引きちぎりやすくする「解体用ツール」としての側面も実証されている。モズの足は猛禽類ほど強くない。自らの肉体的限界を、木の枝という環境を利用して補う驚くべき知恵の産物なのだ。