この甘美な衣装のルーツを辿ると、1950年代のハリウッド映画史に行き着く。鬼才エリア・カザン監督が手掛けた1956年の映画『ベビードール』。劇中で主演女優キャロル・ベイカーが纏ったショート丈のナイトウェアは、当時の保守的な社会に強烈な視覚的衝撃を与えた。胸元下で切り替えられた短い丈のシルエットは瞬く間に大衆の目を奪い、作品名そのものがこのランジェリーの代名詞として定着していくことになる。
反骨精神と無垢なコケティッシュさの象徴として誕生したスタイルは、数十年の時を経てアパレル・ランジェリー産業の重要なカテゴリーへと成熟した。単なる寝具の枠組みを飛び越え、女性のセンシュアリティと自己解放のシンボルとして、デザイナーたちの創作意欲を刺激し続けている。