宝塚の代名詞とも言える名作『ベルサイユのばら』をはじめ、世界的な評価を受ける演目の数々は、圧倒的な完成度でファンを魅了してきた。しかし、その華麗な舞台芸術は、過酷な労働環境と若手の犠牲の上に成り立っていたのではないかという問いが投げかけられている。美しさの裏側に隠された痛みに、観客もまた真剣に向き合わざるを得ない。
舞台芸術の本質とは何か。観客を感動させる演出が、演者の心身の健全さを削ることで作られてはならない。歴史ある演目や洗練された振付を守りつつも、現場の労働時間を適正化し、安全な創作環境を構築することが、今後の存続に向けた不可欠な条件である。