彼を世界のスーパースターへと押し上げたのが、90年代半ばから後半にかけて公開された一連の代表作です。
バズ・ラーマン監督による『ロミオ+ジュリエット』(1996年公開)の撮影当時、ディカプリオは21歳。現代のヴェローナ・ビーチを舞台にアロハシャツを身にまとい、水槽越しにジュリエットと見つめ合うシーンは、映画史に残る屈指の名場面として知られます。古典悲劇を鮮烈なポップカルチャーへと昇華させた彼のカリスマ性は、世界中の若者を映画館へと駆り立てました。
そして翌年、映画史を塗り替えるメガヒットとなった『タイタニック』(1997年公開)において、貧しくも誇り高い青年ジャック・ドーソンを演じた際の実年齢は22〜23歳でした。ジェームズ・キャメロン監督は当初、他の人気俳優も候補に挙げていたものの、オーディション室にディカプリオが入ってきた瞬間、ビル中の女性スタッフが騒然となった光景を見て即決したという逸話が残されています。
しかし、本人は甘いマスクのロマンティック・ヒーローとして消費されることに強い危機感を抱いていました。当時から商業的な大作よりも、人間の暗部を描くインディペンデント作品への出演を強く望んでいたことは、映画ファンの間で有名な事実です。