食用としての「銀魚」を語る上で欠かせないのが、中華料理における長い歴史です。中国語で「インユー(yínyú)」と呼ばれる銀魚は、江蘇省の太湖などで獲れるものが名高く、現地の特産品「太湖三白(太湖の三つの白い名物)」の筆頭に数えられます。
成魚でも体長7〜10cm程度と小ぶりで、水揚げされた直後は透き通るような白銀色を放ちます。骨が極めて柔らかく、内臓や骨を取り除く必要がないため、丸ごと天ぷらやスープ、あるいは卵炒め(銀魚炒蛋)として重宝されてきました。淡白でありながら奥深い旨味を持ち、中国の宮廷料理や高級宴席では、春を告げる縁起の良い魚として珍重されてきた歴史があります。
日本のスーパーや鮮魚店で流通する「白魚(シラウオ)」と近縁関係にあり、冷凍加工品として輸入された中国産銀魚が、日本の飲食店で天ぷらやかき揚げの素材として静かに活躍している事例も少なくありません。