全身麻酔による4本一括抜歯の最大のメリットは、「手術中の恐怖や痛みを一切感じない」という点に尽きます。外来での局所麻酔抜歯のように、骨を削る甲高い音や歯を脱臼させる強い圧迫感を意識の上で耐え続ける必要はありません。
手術室に入り、心電図モニターや血圧計を装着された後、点滴から麻酔薬が投与されます。「少し腕が重くなりますよ」という麻酔科医の声を聞いた数秒後には完全に意識が途切れ、次の瞬間には病室のベッドで名前を呼ばれて覚醒します。体感時間は文字通り「一瞬」です。
しかし、覚醒直後の抜歯後麻酔の感覚には特有の違和感が伴います。気道確保のために挿管されていたチューブの影響で喉に軽いイガイガ感や痰の絡みが残り、口の中全体には局所麻酔のしびれと止血用ガーゼの圧迫感が充満しています。意識が戻ってから約2〜3時間は酸素マスクを着用し、点滴による消炎鎮痛剤の投与を受けながら安静に過ごすことになります。