大量の草刈り鎌を一気に手入れしたい農家やプロの現場では、ディスクグラインダーを用いた電動研磨が行われることも珍しくない。圧倒的なスピードで作業が進む反面、機械研ぎには金属の性質を壊してしまう重大なリスクが潜んでいる。
グラインダーを用いた鎌の研ぎ方の最大の注意点は、摩擦熱による「焼きなまし(焼き戻り)」現象だ。高速回転する砥石を強く押し当てると刃先が一瞬で高温になり、青紫色に変色してしまう。こうなると鋼の焼き入れ硬度が失われ、二度と切れ味が持続しない「なまくら刃」へと劣化してしまうのだ。グラインダーを使用する際は、回転数を落とした低速機を選び、刃に軽く触れさせる程度に留め、頻繁に水に浸けて冷却しながら研ぐ技術が欠かせない。
また、高速回転する刃物の研磨はキックバックや破片の飛散リスクを伴うため、防塵メガネや耐切創手袋の着用など、万全の安全対策を整えた上で作業に臨む必要がある。