今大会最大のドラマとなったのが、ショートの順位を大きく覆してフィギュアスケート男子フリー表彰台の頂点へと駆け上がった逆転劇です。下位からの巻き返しを可能にした最大の要因は、後半に組み込まれたコンビネーションジャンプの完璧な遂行と、基礎点が1.1倍になるボーナスゾーンのフル活用にありました。
ショート首位の選手が冒頭の大技で着氷を乱し、後半のリカバリーでステップアウトを喫してTESを伸ばしあぐねる中、追う立場の選手は一切の守りに入らず攻めの構成を貫通。4回転ルッツや4回転フリップといった超高難度ジャンプを次々とクリーンに着氷させ、会場のボルテージを最高潮へと引き上げました。
メンタルの揺らぎがそのままジャンプの軸やエッジワークに直結する氷上の極限状態において、プレッシャーをエネルギーへと変えた側の執念が、この劇的なフィギュアスケート男子フリー逆転劇を呼び込みました。