市場で最も高値で取引され、市場を熱狂させている主役が「ダマスカスヤギ」と呼ばれる独特な品種だ。幼少期は可憐な姿をしているが、成長するにつれて隆起する鼻筋と大きく落ち込んだ顎、独特の頭骨構造を持つようになり、その「異形の美」が中東の愛好家をトリコにしている。
ダマスカスヤギの血統管理は、競走馬のブリーディングにも勝るとも劣らない厳密さで行われている。優れた遺伝子を持つ雄ヤギの交配権だけでも膨大な金額が動き、その所有権は富裕層コミュニティにおける最強の資産となる。この美意識と血統至上主義こそが、価格を天井知らずへと押し上げる原動力だ。