あのアクションのルーツは、秋田書店が発行する大人気格闘漫画『グラップラー刃牙』シリーズにある。作中のキャラクターが魅せる「トリケラトプス拳」は、古代の巨大恐竜の質量と圧迫感をイメージさせる象徴的な構えだ。大の漫画好きとして知られる天心が、これを実戦に取り入れるアイデアを思いついたのは必然だったのかもしれない。
作者の板垣恵介氏が描く『刃牙道』などの独創的な世界観は、現実のリングで闘う若き才能にも強い影響を与えた。二人の対談や交流を通じて深まった絆は、創作フィクションとリアル格闘技の境界線を鮮やかに吹き飛ばしたのだ。二次元の空想から生まれた構えを、最前線のリングで本物の武器へと昇華させた天心の感性は、まさに規格外と言わざるを得ない。