軟部腫瘍を疑った際、臨床現場で強く意識される指標が「サイズ5cm」の壁だ。日本整形外科学会などの知見でも、病変の長径が5cmを超えている場合、あるいは筋膜より深い層に位置している場合は、悪性腫瘍の確率が跳ね上がるとされている。
かつて「悪性線維性組織球腫」と呼ばれ、現在は「未分化多形肉腫(Undifferentiated Pleomorphic Sarcoma)」に再分類されたタイプをはじめ、肉腫の病理診断は極めて高度な専門性を要する。一般的なクリニックで安易に切開・生検を行ってしまうと、腫瘍細胞が周囲に散らばり、根治的な手術が不可能になる「ウップス(Whoops)手術」のリスクを招きかねない。疑わしいしこりに直面した際は、専門の肉腫診療拠点へ直接アクセスすることが鉄則だ。