かつてアングラなネット文化の産物とみなされていたアスキーアートが、今や大手サブカルチャー産業のメインストリームへと進出しつつある。この現象は、単なるレトロブームという一言では片付けられない。デジタル空間におけるキャラクターの寿命や、IP(知的財産)の新たな創出プロセスにおける歴史的な転換点を示しているからだ。
ゲームメーカーやアパレルブランド、さらには現代アートのギャラリーまでもが、八頭身モナーやギコ猫をモチーフにしたコラボレーションを模索し始めている。ユーザー生成コンテンツ(UGC)の究極の原点とも言えるこれらのアスキーアートは、完成されたキャラクターにはない「無名の群衆によるカオスな熱量」を秘めている。この熱量が、閉塞感の漂う現代のエンタメ業界に強力な刺激を与えていることは疑いようがない。