そのエネルギーが決定的な形で結実したのが、写真界の巨匠・篠山紀信とのセッションだった。二人が生み出した写真集『遠野 冬』は、発売と同時に社会現象を巻き起こす。
舞台となったのは、民話の息づく厳冬の岩手・遠野。氷点下の静寂、吹きすさぶ地吹雪、凍てつく土。極限の寒冷地で服を脱ぎ去った彼女の肉体は、単なる肌の露出ではなく、自然と対峙する原初的な命の輝きを放っていた。篠山紀信のカメラは、震える吐息や肌の粟立ちまでも冷徹かつ官能的に切り取った。まさに日本のアートヌード史に刻まれる金字塔であり、商業的なグラビアとは一線を画す圧倒的な芸術性を提示した瞬間だった。