御徒町寄りの細い路地で、常に途切れることのない長蛇の列を作るのが「らーめん 鴨to葱」だ。この店が提示したのは、無駄を削ぎ落とした引き算の美学にほかならない。スープの素材は国産合鴨と水のみ。化学調味料を一切排除し、鴨本来の力強いコクと澄んだ旨味をじっくりと抽出している。
看板メニューである醤油ラーメンを口に運ぶと、まず鴨油の芳醇な香りが広がり、続いてキレのある醤油の風味が追いかけてくる。毎月産地を変えて提供される3種類のネギから好みの2種を選ぶシステムも、食べる者の好奇心をくすぐる心憎い演出だ。全粒粉を配合した特注麺がスープを抱き込み、噛み締めるたびに小麦の香りと鴨の旨味が重なり合う。淡麗系という枠組みを軽々と超えた、職人の執念が宿る一杯だ。