ショーケースの中でひと際異彩を放つのが、この店を語る上で外せない「モンブラン」だ。従来の重厚なイメージを覆すほど軽やかなマロンクリームの絞りは繊細を極め、土台のメレンゲのサクサク感と無糖生クリームの純度が、栗本来の豊かな滋味を劇的に引き立てる。
もうひとつの看板が、専用の焼き台で職人が一本ずつ手焼きする伝統菓子「ガトーピレネー」である。ピレネー山脈の険しい岩肌を思わせる独特のトゲ状フォルム。外側の香ばしいキャラメリゼと、噛み締めるほどに発酵バターとキルシュが香る重厚なしっとり生地は、一度食べたら忘れられない中毒性を持つ。