一粒食べれば十日間は飢えを知らず、瀕死の重傷から瞬時に全快する万能薬「仙豆」。作中において数々の絶望的戦況を覆してきたこの奇跡の豆は、カリン塔の特別な環境でのみ栽培されている。しかし、物語が進行するにつれて仙豆の希少価値は跳ね上がり、セル編や魔人ブウ編では常に残数を巡る緊迫した駆け引きが展開された。
初期には大きな壺に溢れんばかりに蓄えられていた仙豆が、なぜ劇的に減少したのか。最大の要因は、居候となったヤジロベーによる無分別な大食いと、栽培自体に膨大な時間と霊力を要するという構造的制約にある。さらに、仙豆は肉体的な傷や骨折、スタミナの枯渇を即座に修復するものの、心臓病などの内科的疾患や生来の寿命までは治療できないという明確な限界設定が存在する。この緻密なルール設計が、バトル漫画としての緊張感を維持し続けた。