原作完結を迎えた『BEASTARS』の終盤、第194話を中心に描かれたルイとジュノの幕引きは、読者に強い衝撃と深い余韻を残しました。二人が恋人として結ばれなかった最大の理由は、「社会的責任」と「種族の宿命」を前にして、ルイが自分の居場所を受け入れたことにあります。
ルイは幼少期に裏市で「生餌」として売られていた壮絶な過去を持ち、大手複合企業「ホーンズコングロマリット」の代表・オグマの養子として育てられました。オグマの死後、ルイには巨大財閥を率いる社長としての責務と、家柄を守るために定められた同じアカシカの許嫁・アズキとの政略結婚が課せられていたのです。
裏市のボスであるシシ組を率いるなど、一時は草食獣としての宿命から逃れようと足掻いたルイでしたが、レゴシとの死闘を経て「社会の表舞台で草食獣として生きていくこと」こそが自身の果たすべき役割だと悟ります。ジュノへの想いは本物でありながらも、彼は己の野望と責任のためにアズキとの結婚を選び、ジュノもまたルイの覚悟を気高く受け止めて身を引く道を選びました。