「退職金がない=ブラック企業」と即断するのは早計です。厚生労働省が実施した「就業条件総合調査」によると、退職給付制度を設けていない企業は全体の約25%に達しています。従業員数30人〜99人規模の中小企業に限れば、およそ3割から4割近くの企業で退職金制度が導入されていません。
労働基準法上、退職金の支給は企業の法的な義務ではありません。就業規則に「退職金を支給する」旨が明記されていれば支払いの義務が生じるものの、そもそも制度自体を設けていない場合、退職金なしであっても一切の違法性はないのが法律上の実態です。
退職金制度の有無だけで企業の健全性を測ることはできません。基本給が高めに設定されている企業や、インセンティブ重視の成長企業など、あえて退職金を排して別の形で社員に還元しているケースも多いためです。