主演を務めたシルヴェスター・スタローンは、無敵のスーパーヒーロー像をあえて封印し、過去のトラウマを抱えた傷だらけの男キットを哀愁たっぷりに演じきった。筋肉の躍動だけでなく、瞳に宿る苦悩や後悔、そして人命を救うことへの執念が、キャラクターに深い陰影を与えている。
そしてヒロインのマデリン役を演じたエイミー・ブレネマンの存在も見逃せない。ただ救助を待つだけの受け身な存在ではなく、恐怖に震えながらも生き抜く意志を剥き出しにするリアリスティックな女性像を体現し、物語に強い説得力を与えた。
さらに映画ファンを唸らせるのが、傲慢なスポーツ用品メーカーの重役ロイ役として登場する若き日のヴィゴ・モーテンセンだ。自身の装備と体力を過信した男が辿る冷徹な運命は、パニック映画における人間の脆さとエゴイズムを鮮烈に浮き彫りにしている。デイライト (映画)の魅力を語る上で、これら実力派キャストの緊迫した心理戦は欠かせない要素だ。