1986年、彼女のキャリアは決定的な転機を迎える。大手繊維メーカーである東レの「東レ水着キャンペーンガール」に抜擢されたのだ。当時の水着キャンペーンといえば、新人の登竜門として過酷な競争が繰り広げられていた最高峰の舞台。選考の場で審査員たちの心を掴んだのは、完璧なポージング以上に、彼女が放つどこか野性味を帯びた明るさと自立した佇まいだった。
現場を知る当時の制作スタッフはこう証言する。「彼女はただ指示通りに微笑むモデルではなかった。潮風に吹かれながら、まるで太陽そのもののように笑う。その姿には、媚びのない爽快感があった」。東レのポスターが街中に掲出されると、ファッション業界関係者の間で『あの長身の美女は誰だ』と大きな話題を呼んだ。水着を単なるセクシーの象徴ではなく、ヘルシーでアクティブな現代女性のライフスタイルへと昇華させた瞬間だった。