2015年10月4日夕刻。ネット配信プラットフォーム「ニコニコ生放送」で、ひとりの男性配信者がPC画面に向かっていた。ゲーム実況の合間、彼が取り出したのは通販で購入したばかりのジッポー風オイルマッチだった。オイルを補充し、ティッシュペーパーで拭き取り、フリント(発火石)を擦る。その何気ない動作が、すべての始まりだった。
漏れたオイルに着火した小さな火は、机の上のティッシュペーパーの山へ移った。パニックに陥った彼は、水を入れた小さなボウルやダンボール箱、ビニール袋を被せて火を消そうとしたが、いずれも逆効果だった。空気が供給され、燃えやすい材質が燃え広がり、火勢は一気に拡大。煙が部屋を包み込み、配信画面が漆黒に染まった時には、すでに手遅れとなっていた。
この火災により、男性の自宅である木造2階建て住宅が全焼。隣接する住宅数件も部分焼失し、同居していた70代の親族が負傷した。最悪の事故の様子はリアルタイムで数百人に視聴されており、その録画映像は瞬く間にYouTubeや海外の動画共有サイトへ拡散。世界中で「最も愚かな火災事故」としてニュースに取り上げられる事態となったのである。